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適応障害とは?症状・原因・うつ病との違いは?

異動や転職、人間関係の変化、引っ越しなど、生活環境が変わったタイミングから、気分の落ち込みや不安、眠れない、仕事に行けないといった不調が出てくることがあります。「適応障害」は、こうした特定のストレスをきっかけに起こる、比較的よく見られる病気です。

この記事では、適応障害の症状・原因・うつ病との違い、治療の考え方について解説します。

この記事のポイント

  • 適応障害は、はっきりとした原因(ストレス要因)があって起こる
  • そのストレス要因から離れると、症状が改善しやすいのが特徴
  • うつ病と症状が似ているが、原因の明確さや経過に違いがある
  • 治療は環境調整が中心で、薬物療法はあくまで対症療法として補助的に使われる

適応障害とは

適応障害とは、進学・就職・異動・人間関係のトラブル・家庭内の変化など、はっきりとしたストレス要因(ストレッサー)をきっかけに、気分や行動に強い変化が現れ、日常生活に支障をきたす状態です。多くの場合、そのストレス要因から離れたり、状況が改善したりすると、比較的早く症状が軽快していくという特徴があります。

うつ病や双極性障害、発達障害からのニ次障害が重要な鑑別になります。

詳しくは以下をご覧ください。

主な症状(DSM-5を簡単に解説)

  1. ストレス因に関する基準:
    • 明確な心理社会的ストレス因がある
    • 症状はストレスの発生から3カ月以内に出現する
  2. 症状の性質と重症度:
    • ストレス因から予測される範囲を超える苦痛がある
    • 社会的、職業的、または学業などにおける著しい障害がある
  3. 除外診断:
    • 他の精神疾患では説明できない
    • 既存の精神疾患の単なる悪化ではない
    • 通常の死別反応ではない
  4. 症状の経過:
    • ストレス因が解消されるか新しい適応状態に達すると、6カ月以内に症状は改善する

原因になりやすいストレス要因

  • 異動、転勤、昇進・降格
  • 職場や家庭での人間関係のトラブル
  • 転職、就職、進学
  • 結婚、離婚、家族構成の変化
  • 引っ越し、生活環境の変化

これらは一般的に見れば「よくある出来事」であっても、本人にとって負担が大きい場合には、適応障害の引き金になり得ます。

うつ病との違い

適応障害うつ病
原因の明確さはっきりとしたストレス要因がある(重要)明確な原因がなくても発症することがある(原因がある場合もある)
環境が変わった時ストレス要因から離れると速やかに改善しやすい環境が変わっても症状が続くことが多い
症状の持続比較的短期間で軽快することが多い遷延しやすく、治療に時間がかかることがある 
抗うつ薬基本的にあまり効かないか、効いても部分的効くことが多い(難治性のうつ病もある)

ただし、実際の診療では経過を見ながら診断が見直されることもあります。詳しい見分け方は別記事でも取り上げる予定です。

そして、うつ病も場合によっては適応障害に見えることがあります。うつ病は非常に苦痛が強いです。患者は原因不明の苦痛に耐えかねて、自ら合理的な理由を後付けで見つけ、あたかも適応障害のようなストーリーに見えることがあります。

そのため医者は適応障害の診断の際に、そのストレス因子からその症状が生まれるのは、患者の立場に立ってみて理解できるかどうか(精神科的には「了解可能」かどうか)を探るのです。

診断書・休職・治療期間について

適応障害は、仕事や学校を一時的に休む必要があると判断され、診断書が発行されるケースが多い病気でもあります。ストレス要因(多くは職場や学校)から距離を置くこと自体が治療的な意味を持つためです。診断書の内容や休職期間は、症状の程度や環境の状況によって個別に判断されます。

ただし、治療期間は半年くらいはかかる、そう覚悟しておいた方が良い、私はそう患者に説明しています(これは僕の感覚なので、エビデンスはありませんが・・)

治療の考え方

  • 環境調整:部署異動、業務内容の見直し、休職など、ストレス要因そのものを軽減・除去することが治療の中心になる
  • 薬物療法:不安や不眠がつらい場合に、対症療法として一時的に薬が用いられることがあるが、あくまで補助的な位置づけ

とりあえずストレスから離れて、しっかり寝る、食べる、好きなことをする、生活リズムを整える。ことが重要になることが多いです。

しかし、それができないから困るんです。適応障害になると、しっかり眠れず、食べられず、好きなこともできず、ストレスから簡単に離れられないから適応障害になるのです。

だからこそ、睡眠薬や向精神薬を使って眠れるようにする、入院、休職、休学など強制的にストレス要因から離れさせる強制手段を取ることもあるのです。適応障害の患者さんの中には「休みたいけど、私(僕)が仕事を休んだら会社が回らない」「家族が生きていけない」という重い事情がある人がいるのです。・・・だからこそ、適応障害になるのです。

しかし、忘れないで欲しいのは一番は自分の命・健康です。それに勝るものはないです。

⚠ 「気持ちの問題」「甘え」と自己判断で片付けず、症状が続く場合は早めに相談してください。ストレス要因を放置したまま無理を続けると、うつ病など、より治療に時間のかかる状態に移行してしまうことがあります。

お子さんの環境の変化がきっかけになっている場合は、「学校に行きたくない」と言われたらの記事もあわせてご覧ください。

まとめ

  • 適応障害は、はっきりとしたストレス要因をきっかけに起こる病気
  • ストレス要因から離れると改善しやすいのが、うつ病との大きな違い
  • 治療の中心は環境調整で、薬物療法は補助的な位置づけ
  • 「甘え」と決めつけず、症状が続く場合は早めに医療機関に相談を

この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療の代わりになるものではありません。気になる症状がある場合は、必ず医療機関を受診してください。詳しくは免責事項をご覧ください。

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