「同じSSRIなのに、なぜ薬によって使い分けられているのだろう」——エスシタロプラム(レクサプロ)とセルトラリン(ジェイゾロフト)は、どちらもよく処方されるSSRIですが、細かい特徴には違いがあります。


この記事では、両者の共通点と違いについて解説します。
この記事のポイント
- どちらもSSRIで、効果の出方や基本的な副作用の傾向はよく似ている
- 承認されている症状の範囲(適応)が異なる
- レクサプロは高用量でのQT延長、ジェイゾロフトは下痢・軟便が特徴的な副作用として知られる
- どちらが向いているかは、症状や既往歴、その患者の雰囲気などによって異なる
共通点
レクサプロ・ジェイゾロフトはどちらもSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)に分類され、脳内のセロトニンの働きを高めることで効果を発揮します。効果を実感するまでに数週間程度かかること、吐き気などの副作用が服用開始直後に出やすいことなど、基本的な特徴はよく似ています。
違いの比較
| レクサプロ(エスシタロプラム) | ジェイゾロフト(セルトラリン) | |
|---|---|---|
| 主な適応 | うつ病、社交不安症 | うつ病、パニック症、PTSD(心的外傷後ストレス障害) |
| 特徴的な副作用 | 高用量でのQT延長のリスク | 下痢・軟便が比較的目立つ |
| 薬物相互作用の傾向 | 他の薬との飲み合わせに一定の注意が必要 | 他のSSRIと比べて比較的少ないとされる |
臨床的に、現場では割とレクサプロ使いの先生、セルトラリン使いの先生など、流派のようなものがある気がしています。個人的には社交不安障害チックな要素があるうつ病にはレクサプロ、パニックがある患者にはセルトラリンを使っていますが、エビデンスはありません。また、レクサプロは10mgから20mgと比較的速く増量できるのに対して、セルトラリンは25mg→50mg→75mg→100mgと最大量まで時間がかかるところに違いがあり、早い改善を求める際にレクサプロ、じっくり細かくやりたい時にセルトラリンなどを使う人もいます。
あとは、心電図上QTが長い人には不整脈のリスクがありレクサプロは使いにくいですが、あくまでも使ってみないとどれくらいQTが延長するかどうかはわかりません。
実際にどちらが選ばれるかは、症状の内容、他に服用している薬との飲み合わせ、心臓の既往、その人の雰囲気など、様々な要素を踏まえて医師が判断します。一方が他方より優れているというものではなく、あくまで「その人に合っているかどうか」という個別の判断になります。
⚠ 「こちらの薬の方が良さそうだから」と自己判断で薬の変更を希望したり、自己判断で薬を中止したりしないでください。薬の変更は、必ず主治医と相談しながら進めてください。
まとめ
- レクサプロ・ジェイゾロフトはどちらもSSRIで、基本的な特徴はよく似ている
- 承認されている症状の範囲や、特徴的な副作用には違いがある
- どちらが向いているかは個別の判断であり、優劣で語れるものではない
- 薬の変更を希望する場合も、自己判断ではなく必ず主治医に相談を
この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療の代わりになるものではありません。気になる症状がある場合は、必ず医療機関を受診してください。詳しくは免責事項をご覧ください。

